猫になりたい　～乳がんになったので、日記に書く～

2017年3月、治療方針提示・手術

3月1日
長男、高校卒業。
男子校で進学校、進路の決まらない生徒が多くて、親も泣けない。
でも、良い学校だった。
三男もここを受験するけど…どうなることやら。
また4月からお世話になれますように…祈りつつ校門を出る。


3月2日
マンモトーム生検の結果を聞く。
私のがんは、ステージⅠと早期ではあるが、転移しやすく、
ホルモン治療が効かないらしい。
そして、がん細胞の増殖度が高いHER2タイプとのこと。
でも、HER2は分子標的薬が使えて、治療効果が高いって。
あとは抗がん剤に放射線。
生存率だの、再発リスクだの、エビデンスだの…。
先生の説明だけでなく、自分でも調べてみるけど、
この数字、私にとっては「2分の1」でしかないじゃん。
これから受ける手術も治療も、決めるのは自分。
逃げ出したければ逃げてもいい。
抗がん剤って、副作用が大変なんだよね…。
どうする、私。


3月6日
三男、公立高校受験。
自己採点の結果は…微妙だな。


3月8日
三男、中学校卒業。
親も晴れて義務教育卒業。


3月10日
長男、三男ともに合格発表…見事、撃沈。
まあ、どっちも実力以上の学校を目指していたわけで、仕方がないか。
さすがにショックは大きいが、次に進まなければ。
私は三男とともに、私立高校の制服などを注文しに走り回った。
疲れ果てて帰宅、茫然自失の三男にかける言葉もなく、黙々と片付け。
午後２時を回って電話が鳴った。
公立高校の校長先生だ。
長男の方の話かと思い、「お世話になっております」と答えると…。
先生が言ったのは、三男の名前。
「ひとり合格者に欠員が出たので、繰り上げで合格になりました」
へ？？？
何度も「本当ですか？」と確認し、「すぐにそちらに参ります！！」と電話を切った。
三男も号泣。
こんなことってあるのかな。
悪いことばかりではないんだなぁ。
長男は再チャレンジすることになったけど、どっちもお疲れ様でした。


3月14日
手術前の最後の通院。
術式と術後の治療について再確認。
とにかく、前を向く。


3月18日
実家に帰省。
手術前に、家族と友人に会っておきたくて。
中学校の同級生4人と会う。
そのうちのひとりは、１月に全摘手術をしていた。
他にも、子宮がんの検査を受けている子がいたり、私たち、そんなお年頃よね。


3月21日
会社で部長と奥さんから、それぞれお守りをいただいた。
がん封じで有名なお寺へわざわざ足を運んでくれたらしい。
ご厚意に感謝。とにかく頑張ります。


3月22日
いよいよ入院。
あとはもう、身を任せるのみ？
子どもとお父さんは少し心配だけど、入院中は上げ膳、据え膳…天国。
ホルモン痛？…胸が少しズキズキ。
食事はできるだけデイルームでとる。
乳がん患者がほとんどの病棟なので、先輩がたくさん。
手術の不安も、少し軽減。


3月23日
午前中は特別やることもなく、病院にある展望風呂でのんびり。
手術準備のため、患部に注射３本…痛かった～。


3月24日
手術当日。11:45、病室出発。
お父さんと子どもたち３人も来てくれた。
手術室前で、子どもたちが敬礼(笑)…お互い顔は緊張気味。
いざ、出陣！

麻酔前の点滴がうまくいかず、何度も右手の甲に針を刺された。
結局、手首近くの血管から点滴。
これが痛いったらない。
手術は無事終了。
名前を呼ばれ、目を開けると、家族の顔が。
「終わったよ。お疲れ様」
「ありがとう…」と言ったか言わなかったか、記憶が曖昧。

術後はICUで翌朝まで。
これが一番長く感じた。


3月25日
傷が小さいので、痛みはほとんど無し。
お昼過ぎまで続いた点滴の針の方が痛かった。


3月26日
M川さんがお見舞いに来てくれた。
娘さんたちが進学で香川へ。
うちの長男も、東京行きを決めた。
淋しいね。


3月27日
朝から雪…寒い。
ドレーンが外れてスッキリ。
のんびりTVを見ていたら、那須町で雪崩のニュース。
県内の高校生が巻き込まれたとのこと。
１日中ニュースを見守る。
…が、夜、８名が亡くなったと…。
痛ましい事故。
息子と同世代の子どもたち…悲しすぎる。


3月28日
夜はあまり眠れず、気分も晴れない。
血圧測定で、初めて140とか出るし。
昨夜のニュースが尾を引いている。

午後、退院に向けてH医師とお話。
先輩方のお話も参考にしつつ、抗がん剤・放射線治療を受ける心づもりをしていく。

3月31日
退院日。
一緒に入院した方たちより、一足お先に。
部分切除で、リンパ節郭清もないので、一番回復が早い。
体調も良好。
10日間、お父さんには頑張ってもらった。


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